3月に採択内定通知がございましたら、領域代表 松田康弘までご連絡ください。

1.第3回領域会議にて研究計画等に関する発表をお願いいたします。

 ■第3回領域会議
  日程:2024年4月19日(金)、20日(土)、21日(日)の3日間
  場所:京都大学 桂キャンパス
  ※参考:第1回領域会議(2023年6月19日-21日)
      第2回領域会議(2023年12月4日-6日)

2. 第2回ニュースレターにて研究紹介の記事を掲載させていただきます。

 ■原稿の依頼内容
  原稿内容:研究紹介について(A4半ページ)
  締切り:2024年4月20日(土)迄
  ※参考:1000Tニュースレター No. 1

学術変革領域研究(A)  23A201 「1000テスラ科学」における公募研究のご案内(終了)

今回募集する公募研究の研究期間は2024-2025年度の2年間となります。
研究項目はB01(固体)、B02(化学反応)、B03(素粒子・宇宙)の3種で、それぞれ実験と理論を募集します。

公募要領、研究計画調書などの詳細は文科省のサイトをご覧ください。
URL: https://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/hojyo/boshu/1394559_00012.htm

公募研究説明会

開催日時:2023年8月7日(月) 10:00 am - 12:00 pm (終了)

当日の説明会の動画は以下よりご視聴可能です。
https://drive.google.com/file/d/1S6ovHDywxU-iEsfrz3j0rdkQ3Vsn8gqj/view?usp=share_link

 1. 領域の概要説明 
 2. 公募研究募集要領の確認  
 3. 公募研究にもとめること
 4. Q&A

<参加フォーム>
https://forms.gle/xH2PdWRCnbE889TJ8

領域の概要

 磁場は相対論的電気効果であり自然界形成に不可欠であるが、地球上では一般にその効果は弱く、摂動的である。一方で、地球磁場の16桁倍にも及ぶ宇宙空間での強い磁場は非摂動磁場効果を与えるが、それを理解するための学問は確立していない。本研究領域では最近開発された室内世界最強の1000テスラ超強磁場を用い、地球上自然界における非摂動磁場効果を明らかにする。1000テスラの磁場が電子スピンに与えるエネルギー変化は、熱エネルギーに見立てた温度換算で1350ケルビンであり、鉄のキュリー温度や金の融点を上回り、化学結合への破壊的効果である化学的カタストロフィー現象を固体内で実現できる。固体から分子、生体分子、素粒子、プラズマを対象として、磁場による新結晶創成などの革新的現象から自然界を形成する機序の本質に迫る。

 計画研究には、A01分子軌道・カタストロフィー、A02スピン・カタストロフィー、A03バンド電子・カタストロフィー、A04化学反応・カタストロフィー、A05素粒子宇宙・カタストロフィー、A06磁場カタストロフィー理論として、6つの研究項目があり、それぞれ、各1つの計画研究が設けられている。

 A01からA03は固体を対象とする。化学的カタストロフィー現象の一つとして磁場による結晶変形がある。波動関数形状、ゼーマン効果、ランダウ量子化などを通して、結晶構造が磁場中で最適化することで、低磁場では実現できない磁場中新結晶が創出可能となる。分子立体配置の再構成によって120テスラで単斜晶から立方晶へと相転移が起こる固体酸素はその典型例の一つであるが、より広範囲の対象物質への研究展開と量子力学的な転移メカニズムの理解が領域の研究目的である。結晶の変形は原子間の結合状態に変化が及ぶことで生じているため、微視的な電子論から捉え直すことが可能になると期待している。

 A04は対象を分子・高分子として、光化学反応への非摂動磁場効果を主な研究対象とする。光励起状態も含めた磁場効果によって、ゼーマン効果やローレンツ力を通じた化学反応過程への非摂動効果を研究対象とする。カイラリティやスピン流と磁場との相関も利用し、強磁場新分子の創出やその生成機構の理解を目指す。

 A05はプラズマおよび素粒子現象への非摂動磁場効果を研究する。宇宙空間に存在するcatastrophic現象を再現した場合に期待される、暗黒物質や暗黒エネルギーの生成・散乱・崩壊反応、量子化された真空が示す複屈折現象や異常シンクロトロン放射、更に磁化プラズマの衝撃波やジェットコリメーション、磁気リコネクションなどについて、種々の量子ビームを駆使した超強磁場実験を行う。素粒子・プラズマといったミクロなレベルでそれらの機構を解明し、通常の物質の枠を超えた極限宇宙環境で磁場の果たす役割を明らかにする。

 A06は固体を中心に、分子、高分子、プラズマ、素粒子における1000テスラにおよぶ超強磁場の非摂動磁場効果の理論的解明を目的としている。

公募する内容、公募研究への期待等

 研究項目B01として、固体における非摂動磁場効果が誘起するカタストロフィック現象の実験的、理論的研究を公募する。波動関数の空間広がりの磁場制御にともなう結晶変形や、結晶周期との干渉による有効質量近似の破れ、ゼーマン効果やランダウ量子化エネルギーのスピン軌道相互作用や結晶場との競合による結晶変形を伴う相転移、フォノンへの非摂動磁場効果、など、従来の磁場研究の枠組みを超えた提案を期待する。計画研究A01〜A03における対象物質群を補完する計画も歓迎する。

 研究項目B02は、分子や高分子の化学反応、生体現象を対象とした非摂動磁場効果の実験的、理論的研究を公募する。計画研究A04を補完する対象分子や高分子、生体物質を研究対象にした提案、触媒作用や人工光合成への磁場効果の研究などを期待する。

 研究項目B03では、宇宙物理および素粒子物理における非摂動磁場現象を開拓する実験または理論研究を期待する。ハドロン物理や太陽物理、その他、計画研究A05と連携する研究内容も公募対象である。

 これまでに強磁場実験の実績は無い研究者でも採択後に技術的な指導を行うため応募は可能である。国内磁場施設の共同利用システムや、本研究領域で整備する可搬型パルス磁場装置の利用により強磁場実験を行うことを想定している。

公募する研究項目、応募上限額、採択目安件数

研究項目番号研究項目名応募上限額(単年度当たり)採択目安件数
B01固体における非摂動磁場カタストロフィー 実験 250 万円
理論 150 万円
8件
4件
B02化学反応への非摂動磁場カタストロフィー実験 250 万円
理論 150 万円
3件
3件
B03素粒子・宇宙への非摂動磁場カタストロフィー 実験 250 万円
理論 150 万円
3件
3件